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研修医日記/医療法人社団 札幌皮膚病理診断科
Sapporo Dermatopathology Institute
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松本一仁/研修医日記
 8月4日から10日までの1週間、夏休みを利用して札幌皮膚病理研究所で研修させて頂きました。研修は組織標本の読影(リーディング)が主体で、木村先生が読影するのをディスカッション顕微鏡をのぞきながら一緒に読み、質疑応答をする形で進められました。標本は道内ばかりでなく全国各地から送られてきて1日に100件を超えることもあり、標本の多い時には朝7時半から夕方6時頃まで読影が続けられました。珍しい症例やコンサルテーション症例も多くこれらは時間をかけてじっくり検討がなされました。

 先生はまず1枚のHE標本を弱拡大で鏡検しどのような皮膚病変かを推定、その後年齢、発生部位などの臨床情報を参考にして病理診断をしていくという方法をとっていました。小生が今まで行ってきたような臨床診断名を手がかりにしたいわゆる”絵合わせ診断”的な方法よりも理にかなっていると思いました。先生は細胞個々の形態よりも組織パターンの認識を重視されほとんど弱拡大のみで診断していきますが、その診断の速さと正確さには驚かされました。病理所見の読み方、言葉による表現の仕方、所見の解釈など1例1例丁寧に説明され、病理診断に至るプロセスを示してくれました。理路整然とした説明は本当にわかりやすく説得力がありました。常に再現性のある病理診断を得るためには用語を正しく用い、病理所見とその解釈を言葉できちんと説明できることが大切であり?こうしてはじめて皮膚病理診断はアートから科学になっていくことを実感しました。

 研修期間中、日常よくみられる疾患からまれなものまで多数の症例をみせて頂き、とくに色素細胞系腫瘍については臨床病理学的分類法や特徴的な肉眼所見など多くのことを学ぶことができました。また皮膚疾患だけでなく正常皮膚の組織所見の見方も詳しく教わることができ本当に勉強になりました。

 このほか北大病院病理部でのウィークリーレビューや旭川医科大学皮膚科教室のカンファランスに参加する機会にも恵まれました。他の大学のカンファランスの様子を見学させてもらえたのは本当にラッキーだったと思いますし、また旭川医大の皮膚科の先生方と親しく交流の場をもてたのも木村先生のお陰だと思います。さらに最終日には「皮膚外科手術のための皮膚腫瘍病理学講座」も受講することができ、本当に充実した1週間でした。いろいろと心配りをして頂きました木村先生には感謝の気持ちでいっぱいです。

 木村先生は皮膚科だけでなく内科そして病理にも精通した優れた指導者であり、しかも症例が非常に豊富なこと、検索システムが整備されていること、良書が多数揃っていること、他大学のカンファランスも体験できることなど環境がよく整っており皮膚病理を学ぼうとするものにとってこれほど研修に適したところはないだろうと思います。小生もできれば機会をみてもう一度先生の施設で勉強させて頂きたいと思いました。

 短期間の研修ではありましたが、木村先生の懇切、丁寧なご指導のもとで本当に楽しく実りのある研修ができました。ともに研修させて頂いた曽和先生、岡本先生、そして心暖かく迎えて頂きアットホームな雰囲気でいろいろと研修のサポートをして下さった定久さん、高野さん、戸澤さん、本当にお世話になりました。また定久さんにはラボの見学のご案内もして頂きありがとうございました。札幌皮膚病理研究所のますますの発展を願っております。本当にありがとうございました。

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