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研修医日記/医療法人社団 札幌皮膚病理診断科
Sapporo Dermatopathology Institute
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東川晋語/ゆとりある正確な診断
 「いろんな知識をたくさん理解しておくと問題点が少なくなる」とよく木村先生は仰います。普段から特に病理診断を考える上で直接問題にならないような組織の生理学と形態学を理解しておくことで、本当に検討すべき問題点にゆとりを持って集中できる、というものです。
 リーディングの際に病変部付近の炎症性細胞や付属器などの形態学的解説を木村先生は大切にされますが、実はこういう事が非常に重要だったりします。膠原繊維や血管の反応性変化や増生のパターン、染色性の変化などの正常な変化域を理解しておくことで「これはこの疾患として判断していいのか?それとも炎症に対する再生性変化なのか?」などと迷うような微妙な検体を診断する上でこのような知識が必要になります。一見して問題にならないような部分をしっかり理解していることで本当に検討しなければならない組織学的要素が浮き彫りにされます。あとは可能な限り考えられる疾患をリストアップし、鑑別診断となります。このステップが一般病理ではかなりartの側面が強くなりがちですが、木村先生は具体的な組織学的所見を逐一述べて理路整然と鑑別診断にたどりつきます。その大胆にして綿密な思考過程は現場の臨床医が受け取る病理診断書に如実に記載されることとなります。
 病理診断書作成時には木村先生は現場で診察しbiopsyやresectionを施行した臨床医の思考や立場を理解したものになるように心がけています。それは内科医を経て皮膚科医となり、皮膚病理のエキスパートとなった木村先生であるからこそ可能な技であると思います。臨床医の所見と矛盾しない病理診断ができるのも現場での豊富な治療経験があればこそであるし、臨床現場での苦悩と苦労を知るからこそ現場が渇望している病理情報を提供できるのだ、と感じる今日この頃です。
 今週の「心に残る木村先生のひとこと」
「臨床を見て病理を考え、病理を見て臨床を考える」
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山口淳/研修医日記9
  昨年の10月から研修をはじめて、すでに5ヶ月が過ぎました。相変わらず1日当たり90件~120件余りの標本を木村先生のガイド付きで読んでいくということを続けていますが、一方ですでに診断がついた過去の標本を引っ張り出してきて独力で模擬報告書を作ってみるということ(仮にセルフレビューと呼んでみます)もやり始めました。セルフレビューをやると診断が木村先生の下したものと一致していても、いなくてもどの所見を診断に用いたのか、用いた所見をどう解釈するのかということを一つ一つの症例で検証していくことになります。この作業ではまず、これまでの研修で所見の表現方法あるいはterminologyといったことをどれだけ意識して学んでいたかが試されます。また、所見をどう解釈するかで疾患概念の理解度も試されます。このセルフレビューと木村先生の実際のリーディングに付いて学ぶことを並行して行うことで、所見の選択とその解釈が少しずつ正確で論理性のあるものとなっていくものと思われます。木村先生が所見に関するterminologyや表現方法に常に細かく注意しておられることは、こうした学習を行っていく上で非常に役立っています。

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