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研修医日記/医療法人社団 札幌皮膚病理診断科
Sapporo Dermatopathology Institute
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山口淳/研修医日記5
 研修がはじまって、ようやく1ヶ月がたちました。日々の驚異的な検体数と目と耳からの情報量の多さに私の頭はオーバーフローしっぱなしなのですが、こぼれずに残ったものを少しずつ整理しつつ勉強を進めています。
 この研究所に来て、私の病理の見方で変化しつつあることは、所見を平明な眼でもれなく捉えることが重要だという認識です。当たり前のことなのですが要は、はじめに疾患概念ありきではないということです。例えば、ケラトアカントーマでは病理組織学的にウイルス性疣贅と有棘細胞癌の所見を併せ持つものとウイルス性疣贅の所見のみのものとの両者があります。これまでは、鑑別が問題となるようなケースではケラトアカントーマなのか有棘細胞癌なのかとにかくどちらかの疾患概念に個々の症例をあてはめ、当てはまらない所見は捨てるという作業に没頭していたようなところがありましたが、ここではむしろケラトアカントーマは臨床病名という捕らえ方であって病理組織学的にはケラトアカント-マ様ウイルス性疣贅とケラトアカント-マ様有棘細胞癌との両者があるという立場なのです。こうした捕らえ方は数多くの検体の個々の所見の積み重ねで確立されてきたものなのです。これ以外にも個々の疾患についての病理組織学的なとらえ方の違いは日々感じるところです。それは、さきに申しました、まず疾患概念ありきではなく所見ありきという木村先生の姿勢からきたものなのだと思います。
  今回はビギナーのくせにちょっと偉そうで恐縮なのですが日ごろ実感するところを書いてみました。
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